過眠症とうつ病
睡眠障害は、身体疾患や精神疾患の症状として起こることもありますので、心身ともに自分の健康状態を確認する必要もあります。
日中に眠気を起こしやすい精神疾患の代表的な病気として、うつ病が知られています。
うつ病は、発症する人も多く今日、日本では珍しくない病気となっていますが、未だうつ病の発病メカニズムは不明と言われており、最近では非定型のうつ病など新しいタイプのうつ病が多く見られるようになってきています。
一般的に、うつ病の患者は、過眠よりも不眠を訴えるケースが多くあるようですが、季節性うつ病や、定型的なうつ病と症状が異なる非定型のうつ病では過眠を伴うことが多いといわれており、特に、うつ病の中でも、季節性うつ病では、日中に強い眠気が生じやすいと言われています。
また定型的なうつ病の場合にも、睡眠障害が伴うと言われており、それが過眠を引き起こす可能性もあります。
具体的にうつ病にでる睡眠障害の症状として、夜中寝ようとして布団に入ってもなかなか眠ることができない入眠困難といったものから、いったん寝入ったとしても夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、また朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒などといった症状があります。
このような、睡眠障害が発症することによって睡眠不足が引き起こされます。
さらにはうつ病自体の症状としても、日中に過度の眠気、つまり過眠が出現することがあります。
季節性うつ病の場合は、発症に日照時間が影響しているため、体内リズムの乱れが、日中の眠気の原因になっている可能性があります。この場合は、過眠症状が高頻度に出現すると言われています。
日本の場合は、発症数が欧米よりは低いものの、推定では、うつ病にかかっている日本人の1/4程度しか医療機関を受診しておらず、残りのおよそ3/4の人は、病状で悩んでいても自分が病気であると気づかなかったり、うつ病で医療機関を受診しづらかったりして、適切な医療を受けていないと言われています。
過眠症で悩んでいる人の中には、うつ病により過眠になっている人が多くいる可能性もあり得ます。
⇒ 過眠症の対策